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損益分岐点分析とは、利益が出る売上高、赤字が出る売上高は幾らかを分析する手法です。
この言葉はよく耳にすると思います。つまり、損益分岐点売上高は最低限これだけの売上高がないと黒字にならないというポイント(会社が赤字にならない最低限の売上高)のことです。いわば、採算ラインです。 損益分岐点は、具体的な数字として、会社の目標となります→この数字がわかっていないと、黒字経営になりませんので、経営分析に欠かせない指標です。
損益分岐点を導き出すには? →変動損益計算書の作成
損益分岐点を導き出すには、まず前段階としてやるべきことがあります。
(1)費用を「変動費」と「固定費」に分ける。
顧問税理士事務と経費・費用について、「変動費となる科目」、「固定費となる科目」を協議して分けていますか?言葉で表すと下記の通りになりますが、簡単なようで難しい作業です。理論的には分けることが可能でも、実際に変動費にも固定費にも該当するものも少なからずあると思われます。この設定作業に一番精通して出来るのが、経営者や現場作業者です。まず顧問税理士と打ち合わせましょう。
変動費:売上高に比例して、増減する費用
例えば、製品・商品を作れば作るほど増加する商品の仕入高や材料費、商品運搬に伴って発生する燃料費、荷造運搬費・従業員の歩合給給料、外注費、販売手数料
変動費率=変動費/売上高です。→※変動費=売上高×変動費率
固定費:売上高の増減に関係なく発生する費用
例えば、役員報酬、固定人件費、地代家賃、通信費
固定比率=固定費/売上高です。
変動費にも固定費にも該当するもの
水道光熱費、燃料費→30%などの比率で大枠で変動比率設定
経費を変動費と固定費に分解することによって、変動損益計算書を作成することが出来ます。
変動損益計算書とは、材料費等のように売上の増減によって金額が増減する変動費と給料や地代家賃のような固定費とに分けた損益計算書です。損益分岐点を把握するためには、必要不可欠な計算書です。
(2)「限界利益」という言葉の意味・求め方を把握する
粗利(売上総利益)や営業利益、経常利益などは馴染みがある言葉だと思いますが、「限界利益」という会計用語(管理会計の用語)があります。一般的に
利益=売上高−経費です。その経費を(1)で変動費と固定費に分けました。
つまり利益=売上高−変動費−固定費です。
限界利益とは、売上高から変動費を引いたものです。商品や製品売上の儲け(固定経費を引く前)のことです。
限界利益=売上高−変動経費です。 つまり、この限界利益の中から固定経費を賄っていくことになります。つまり限界利益が大きいほど、会社の儲けとなる利益も大きくなるといえます。
上記算式に当てはめると、
利益=限界利益(売上高−変動費)−固定経費ということです。よって、固定経費を
限界利益=固定経費+利益と説明されることもあります。
(3)実際に損益分岐点となる売上高を求める算式を把握・理解する
上述のとおり、利益=売上高−変動経費−固定経費です。
よって、利益=売上高−※売上高×変動比率−固定経費と返還出来ます。
損益分岐点=利益がゼロとなる点ですから、
0=売上高×(1−変動費率)−固定経費 固定経費を移動させる
固定経費=売上高×(1−変動費)
よって、売上高=固定経費÷(1−変動費率)と表すことが出来ます。
例題)簡単な例として
売上高:100万円
変動費:50万円
固定費:20万円
利益:30万円
とすると、損益分岐点売上高=20÷(1−※0.5)=40
※変動費率 50÷100=0.5
この事業では、損益分岐点となる売上高は40万円となることがわかります。よって、売上高40万円を下回ると、損失が出るということです。
損益分岐点を下げるには
損益分岐点を下げる方法として
(1)売上高を拡大する
①売上単価を上げる
②商品の付加価値アップやサービスを向上させる(付加価値分析参照)
(2)変動費率を低下させる
①原材料費の削減や流通経路を見直す 、外注加工費の単価引き下げ
②原材料資料料の節減、製品の外注率を減らし、自社で出来るものは自社で行う
(3)固定費を削減・低下させる。
①人件費の節減(リストラを含む)→役員報酬や給料の見直し(社会保険料を抑える)
②過剰設備資産の処分・見直し
②無駄な経費の徹底的な見直し
一番の良策は、(1)〜(3)をうまく組み合わせていくことです。
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