譲渡所得(土地や建物を譲渡した時)の原則・一般的取扱い

(1)譲渡所得とは

譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。
ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはなりません

 

(2)譲渡所得の計算方法

譲渡所得は、次のように計算します。

収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額=課税譲渡所得金額

 

@収入金額

収入金額は、通常土地や建物を売ったことによって買主から受け取る金銭の額です。
【 現物出資の場合(通常出てきません):土地建物を現物出資して株式を受け取った場合のように、金銭以外の物や権利で受け取った場合にはその物や権利の時価が収入金額となります。 】

 

A特別控除額

土地や建物を譲渡した場合の特別控除額は次のようになっています(特別控除は一定の要件を満たす場合に適用となります)。

(イ) 収用等により土地や建物を譲渡した場合 ・・・ 5,000万円

(ロ) 居住の用に供している家屋やその家屋とともにその敷地を譲渡した場合

   ・・・ 3,000万円

(ハ) 特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合 ・・・ 2,000万円

(ニ) 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合 ・・・ 1,500万円

(ホ) 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合・・・1,000万円
 
(ヘ) 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 ・・・ 800万円
 
 (ホ)以外の特別控除額は、長期譲渡所得、短期譲渡所得のいずれからも一定の順序で控除することができます。(ホ)の特別控除額は、長期譲渡所得に限り控除できます。

 

(注1) 長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地建物を、また、短期譲渡所得譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の土地建物をそれぞれ譲渡したことによる所得をいいます。
 
(注2) 土地、建物の譲渡所得から差し引く特別控除額の最高限度額は、年間の譲渡所得全体を通じて5,000万円です。

 

土地・建物の譲渡所得税額(原則)の計算方法

土地や建物の譲渡による所得は、他の所得、例えば給与所得などと合計せず分離して課税する分離課税制度が採用されており、所得税・住民税の額は次のように計算します。

 

(1) 長期譲渡所得
 

   所得税:課税長期譲渡所得金額×15%

   

   住民税:課税長期譲渡所得金額×5%

 

(2) 短期譲渡所得

  

   所得税:課税短期譲渡所得金額×30%

 

   住民税:課税短期譲渡所得金額×9%

 

 

取得費とは

(1)譲渡所得の計算方法

譲渡所得は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。

 

(2)取得費の概要

取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます
 なお、建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

 

(3)その他の取得費

上記2のほか取得費に含まれる主なものは次のとおりです。ただし、事業所得などの必要経費に算入されたものは含まれません

 

@土地や建物を購入(贈与、相続又は遺贈による取得も含みます。)したときに納めた登録免許税(登記費用も含みます。)、不動産取得税、特別土地保有税、印紙税
  なお、業務の用に供される資産の場合には、これらの税金は取得費に含まれません

 

A借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料

 

B土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用

 

C土地の測量費

 

D所有権などを確保するために要した訴訟費用
  これは、例えば所有者について争いのある土地を購入した後、紛争を解決して土地を自分のものにした場合に、それまでにかかった訴訟費用のことをいいます。
  なお、相続財産である土地を遺産分割するためにかかった訴訟費用等は、取得費になりません。

 

E建物付の土地を購入して、その後おおむね1年以内に建物を取り壊すなど、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用

 

F土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子

 

G既に締結されている土地などの購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金

譲渡費用とは

譲渡費用とは土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。

譲渡費用の主なものは次のとおりです。

@土地や建物を売るために支払った仲介手数料

A印紙税で売主が負担したもの

B貸家を売るため借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料

C土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額

D既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金
  

これは、土地などを売る契約をした後その土地などをより他へ高い価額で他に売却するために既契約者との契約、解除に伴い支出した違約金のことです。

E借地権を売るとき地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

 

このように、譲渡費用とは売るために直接かかった費用をいいます。

したがって、修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売った代金の取立てのための費用などは譲渡費用になりません。

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