農地法改正の概要

今回の農地法の改正は、「平成の農地改革」とも言われるもので、農地制度の基本を「所有」から「利用」に転換し、「貸しやすく、借りやすい」制度とするとともに、農地の所有者や借り主に農地を適正かつ効率的に利用する責任があることを明らかにすることにより、農地が最大限に利用されることを目指しています。
一方では、農地転用の規制を厳格化し、食料の生産基盤である農地の確保を図るものとなっています。
 

【農地法改正のポイント】
@ 法律の基本理念を、「所有」から「農地の有効利用」に変更

A 地の転用規制の見直し厳格化

B 農地の権利移動規制の見直し要件緩和

C 遊休農地対策の強化

D 農地の賃貸借の存続期間の延長

農地法等の改正内容

平成21年12月15日 改正農地法が施行されました。

☆改正のポイント
 

(1)農地法の目的・責務規程
@ 農地法第1条の目的規定について、農地が地域における貴重な資源であること、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した権利の取得を促進すること等を明確化します。

A 農地について所有権、賃借権等の権利を有する者はその適正かつ効率的な利用を確保しなければならない旨の責務規定を新たに設けます。(農地法第2条の2)
 

(2)農地の権利移動の規制の見直し
農地の貸借の規制を見直して
農業生産法人以外の法人等も農地を借りることができるようになります。(農地法第3条第3項)
 ただし、地域の農業に悪影響を与える場合等には、借りることができません。借りた後も、農地を適正に利用し続けること、法人の場合は一人以上の業務執行役員が農業に常時従事していること等が必要です。(農地法第3条第2項第7号、第3条第3項第1号〜第3号)

 

所有権の取得は、これまでどおり、農作業に常時従事する個人と農業生産法人に限られます農地法第3条第2項第2号、第3条第2項第4号)

 

農地の貸借について、農地の権利取得の基本を定めている第3条第2項の特例として、農業生産法人以外の法人等による農地の借入れが可能となるよう見直し。

〇ただし、地域における家族農業経営の取組等を阻害せず、農業上の利用をきちんと行うことを担保するための措置を幾重にも設定。

外企業の参入が従来に比べ容易になるだけでなく、農村集落において、農家だけでなく非農家も含めた構成員により集落営農法人をつくったり観光と農業の融合を行うNPO法人等の設立が容易になる等多様な担い手の参入が期待される

  

(3)農業生産法人要件の見直し
農業生産法人の要件
について、農業生産法人が地域の農業者を中心とする法人であるとの基本的性格を維持した上で、出資制限を見直します。(農地法第2条第3項)

@ 農業生産法人に農作業を委託している者を議決権制限を受けない構成員とします。

A 農業生産法人への関連事業者の議決権制限を緩和します。

 

農地所有権を取得出来る法人は農業生産法人に限定

〇農業生産法人については、地域の農業者を中心とする法人であるとの基本的性格を維持した上で、出資制限を見直し
 

(4)農地の権利取得後における下限面積要件
下限面積の基準について、農業委員会が別段の面積を設定できるようにします。(農地法第3条第2項第5号)
 

(5)農地の相続等の届出制度の創設
相続等農地法の許可を要しない権利取得
については、権利を取得した者は、農業委員会にその旨の届出をしなければなりません。(農地法第3条の3)
この規定に違反して、「届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、10 万円以下の過料に処する」とされています。(農地法第69 条)

    農林水産省ホームページ:農地の相続等の届け出の提出のお願い
 

(6)農地転用規制の厳格化
 担い手に対する農用地の利用集積に支障を及ぼすおそれがある場合
には、農用地区域から除外できません。(農振法第13 条第2項第3号)
違反転用の罰則を強化するとともに、違反転用に係る原状回復について行政代執行制度を整備しました。(農地法第51 条第3項〜第5項、第64 条及び第67 条)
 

(7)農地の賃貸借の存続期間
農地の賃貸借の存続期間について、50 年まで可能となります
。(農地法第19 条)

 

(8)遊休農地対策
農業委員会の指導の対象が全ての遊休農地となります。
(農地法第30 条第3項)
農業委員会は、毎年、管内の農地の利用状況の調査を行います。(農地法第30 条第1項)
所有者の不明な遊休農地も、利用権の設定ができるようになります。(農地法第43条)

 

@全ての遊休農地を対象とした対策とし、農業委員会が毎年、農地の利用状況の調査を行い、指導等を実施→農地の納税猶予の要件も強化

A所有者の不明な遊休農地も、供託により利用権の設定が可能。
 

(9)小作地所有制限と未墾地買収の廃止
小作地の所有制限とこの制度に反して所有する小作地の国による強制買収措置を廃止します。
 

(10)賃借料情報の提供
農業委員会が、各地域ごとに、農地の種類別、ほ場整備事業の実施状況の別等に区分し、実勢賃借料の情報を幅広く提供します。(農地法第52 条)
☆改正のポイント …… 農業経営基盤強化促進法関連
 

(11)農地利用集積円滑化事業による面的集積
全国の市町村において、地域内の農地を一括して引き受けてまとまった形で担い手に再配分を行う仕組み(農地利用集積円滑化事業)を創設します。 (基盤法第4条)

 

(12)農地の利用集積を進めるための施策(農業経営基盤強化促進法)
@農地の出し手が安心して農地を売ったり貸したりでき、また、その農地の効率的かつ安定的な農業経営を営む者等への望ましい集積を図るため機関が間に入り農地集積方向付け(農地保有合理化事業)を推進
Aしかし、農地の保有リスク等から取組の広がりには限界。
Bこのため、全国の市町村において、農地の保有リスクを回避しつつ地域内の農地を一括して引き受けて、まとまった形で再配分を行う仕組み(農地利用集積円滑化事業)を創設

 

(13)農用地利用集積計画の策定の円滑化
共有農地に係る農用地利用集積計画による利用権設定
は、共有持分の2分の1を超える同意で行えるようになります。(基盤法第18 条第3項第4号)

◇優良農地の確保を図るための規定です。

@我が国の食料の「自給力」を強化するためには、これ以上の農地面積の減少を食い止める必要。
Aこのため、今回初めて明確に農地転用規制について厳格化する政策を打ち出し、国として、農地の確保に積極的な役割を果たしていくことを明確化。

【第1種農地の集団性基準の厳格化】改正後は「おおむね10 ヘクタール以上」に引き下げます(現行は「おおむね20ha以上」)。
【第1種農地の転用不許可の例外事由の厳格化】
【第3種農地の該当基準の厳格化】
※ これらの規制強化事項については、平成22年6月1日施行、同日以降に申請のあった案件から適用されます。
※ 農業振興地域内の農振白地地域であっても、転用不許可となる地域が広がります。

                        〇・・・農林水産省ホームページ引用

 

 

 


 

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