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被相続人の遺産分割協議前に、財産を承継すべきその被相続人の法定相続人が連続してに死亡してしまうケースも考えられます。
このように連続して相続が発生することを、「数次相続」といいます。
弁護士や司法書士の先生方が、よく口にする文言かと思います(税理士は、相次相続控除で「相続税の控除」をイメージすることの方が多いかもしれませんが)。
例えば、父・母・長男・長女の標準的な4人家族を例に考えてみたいと思います。
【1】父が平成25年11月20日に死亡したとします(以下「第一次相続」といいます)。
相続人は、母・長男・長女で相続税の申告期限は10ヶ月後の応当日である平成26年9月20日です。
【2】母が平成26年5月25日に相続税の申告期限前・かつ父の遺産分割前に死亡したとします。
相続人は、長男・長女で相続税の申告期限は10ヶ月後の応当日である平成27年3月25日です。
ここで問題となるのが母の第一次相続に関する相続税申告と第二次相続にいかに反映させるかだと思われます。
【相続税の申告義務の承継】
(1)通常の申告期限・申告義務
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署です。財産を取得した人の住所地を所轄する税務署ではありません。
(2)申告義務の承継
上記【2】の場合、母の申告書は、長男・長女が、母に関する第一次相続・第二次相続の申告書を提出します。第一次相続に関しては、母についてのみ申告期限が延長され、第二次相続と同じ申告期限である平成26年5月25日から10ヶ月後の平成27年3月25日となります。
第一次相続においては、配偶者の税額軽減を使うべきか、小規模宅地はどうするか、第一次相続で長男・長女が多く財産を引継ぎ、相次相続控除を受けるなど第二次相続を考慮して申告書を作成する必要があると思われます。
【相続税法27条の2】
相続税の申告書を提出すべき者が当該申告書の提出期限前に当該申告書を提出しないで死亡した場合には、その者の相続人(包括受遺者を含む。第5項において同じ。)は、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から10月以内(その者が国税通則法第117条第2項の規定による納税管理人の届出をしないで当該期間内にこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に、政令で定めるところにより、その死亡した者に係る前項の申告書をその死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
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