付言事項(家族に残すことば。付言事項で気持ちを込める!)
私は、付言事項でご家族に対する気持ちを記載することをオススメしています。
付言事項とは、 法律に定められていないことを遺言書で付言する事項のことをいいます(法定外事項)。法律に定められた事項(法定遺言事項)についてされた遺言は法的な効力を有しますが、付言事項については法的な効力を生じません。遺言の本体は財産の処分や祭祀承継者の指定などですが,法的に効力を持たなくても,相続人らに残す言葉を付加することができます。
たとえば,遺言で財産を特定の者に相続させることにした理由,亡き後の処理のしかた,葬式や法要の方法,献体や散骨を希望する趣旨,親族の融和や家業の発展を祈念する旨をつづっておくなどです。これらは法律上相続人らを拘束する効力は認められませんが,遺言者の最後の意思を表明したものですから,尊遺言者の生の言葉でつづられていたような場合には尊重されることもあり、相続人間での遺留分の主張に基づく争いを防止する効果が期待できます。
葬生前からこのような希望を有していること,そのための準備(献体の登録など)をしていることなどを親しい家族に伝えておくことが大事です。
私の場合には、同族会社株式において、
例えば、「○○(長男)には、会社の株式全部を遺産する。」だけの遺言内容だけでは、△△(次男)は、不満だけがのこり兄弟間で今後しこりを残すこともありますが、遺言者がどういう理由で長男に株式全部を遺産するのかを明確に記載すれば、付言事項がない遺言書より、次男が納得しやすい状況も生まれ、残された兄弟間の仲も良好のままとなることもあります。
上記のとおり、付言された事項に法的な効力はありませんから、それを守るかどうかは相続人次第で、相続人には、付言事項を尊重していただき、結果として付言された内容が実現されることを望むほかにありません。
【付言事項の具体例】
相続分を指定したならその理由
葬式や法要の仕方を指示
親族・兄弟姉妹間の融和を付言すること
家訓などの遵守を付言すること
自分の角膜や臓器などを医学の進歩やそれらを必要とする人に与える
家業のあり方についての指示・希望
遺体の処置方法を付言すること